葉隠 HAGAKURE by Daichi Soga


只今、人生漂流中


最近、たまたま成り行きでひどく懐かしい場所の近くに行くことになって、昔のことを思い出した。


それは決していい思い出の類なんかではなく、数ある苦い経験の一つ。


眠っていた後悔が今頃になって重くのしかかる。


それを後悔として認識したのはつい最近のこと。



五年前、毎日先行きの見えない不安に押しつぶされそうで、早くその場から抜け出すことばかりを考えていた。


そこで一年間という自分を納得させるための十分な期間を設けて見切りをつけることにした。


それから一年が経過して、決めていた通り僕はその場を去った。



今ふり返ると、あまりにも自分本位な考え一つで突っ走ってしまったという想いだけが残る。


自ら何も努力せずに見切りをつけたことは、いくらなんでも薄情過ぎたんじゃないかって。


昔大変お世話になったあの人とは、もっと腹を割って話し合うべきだった。


たとえ不器用でも自分の考えをはっきりと伝えることができたら・・・


仮にそれが原因で不仲になったとしても、それはそれで納得できただろう。


もしかしたら努力次第では一筋の光を見出すことができて、その先も僕はそこでもっと頑張れたのかも知れないと時々思うことがある。


何故ならそこには自分が自分らしく活きていける可能性を秘めていたと今になって感じるから。


あの頃は自分なりに悩み抜いた結果だったが、今思うと若さゆえに湧いて出た安易な考えで結論を出してしまったことが悔しい。


自分の置かれている状況が不遇と感じて誰かのせいにすることは簡単だが、自分の行いを顧みなければ本当の意味で解決することはない。



可能性は秘めているだけじゃ意味がない。




あれから五年が経っても悩みの本質はあまり変わった気がしないな。


自分の将来のビジョンを描いては消えて、また描いては消える、未だその繰り返し。


あらゆる可能性を信じてアグレッシブに突き進んではみるけれど、折角巡り会えたいくつかのチャンスを活かせてはいない。


ブレることのない一本の線を引くことはとても難しい。


それが出来ない自分はまるでこれからどこに向かっていくのか分からない漂流した船に乗っているみたいだ。



仮に一つ曲がり角を曲がっていなければ今の自分は存在し得なくて、また別の自分が今と違った道を歩んでいる。


数ある選択肢から選択した後、その意味を決めるは自分自身。


どの道を行くのが自分にとっての正解か、それは知り得ない。


そもそも人生ってヒントはあるが、正解はたぶんない。


だけどサイコロを他人より多く振っていれば、それだけ当たり目を出す可能性は増えるよね。


人生ゲームってまさにリアル人生の縮図といえる。

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